「資料が分かりにくい」「読んでもらえない」と言われたとき、真っ先に手が伸びるのはデザインです。しかし商談資料が読まれない理由の多くは、見た目ではなく構造にあります。
結論を先に書きます。原因は主に3つです。①情報の順番が「自社が話したい順」になっている ②1枚に複数のメッセージが載っている ③読み手が社内で決裁者に説明し直すことを想定していない。
直し方の選択肢も4つに整理できます。構成の作り直し/デザイン制作会社への発注/動画化/マンガ化。この記事では4つを比較したうえで、それぞれが効く条件と、当社が制作した案件の実測値を書きます。
なぜ「わかりにくい」と言われるのか
原因① 情報の順番が「自社が話したい順」になっている
会社概要 → 事業の歴史 → サービス一覧 → 機能詳細 → 導入事例 → 料金。多くの営業資料はこの順番で作られています。これは説明する側にとって説明しやすい順番であって、読む側が知りたい順番ではありません。
読み手が最初に知りたいのは「これは自分の課題を解決するものか」です。それが分かる前に会社概要が5枚続くと、読み進める理由がなくなります。順番を入れ替えるだけで、同じ内容でも読まれ方が変わります。
原因② 1枚に複数のメッセージが載っている
1枚のスライドに、見出し・グラフ・注釈・箇条書き・スクリーンショットが同居している資料はよくあります。作った側は全部つながって見えますが、読む側はどこから読めばいいのかを毎回判断させられます。この判断コストが積み重なると「わかりにくい」という感想になります。
目安として、1枚で言いたいことを一文で書けなければ、その枚は分割したほうがいいと考えて差し支えありません。
原因③ 読み手が社内で説明し直すことを想定していない
BtoBでは、商談の相手がそのまま決裁者であることは多くありません。資料は、担当者が社内で説明し直すための素材として使われます。このとき、口頭の補足がないと意味が通らない資料は、担当者の手元で情報が痩せていきます。
「自分が同席しなくても内容が伝わるか」という基準で読み返すと、抜けている説明が見つかります。商談では伝わっているのに受注につながらない、という場合はここを疑う価値があります。
「読まれていない」のか「伝わっていない」のかを切り分ける
対策を選ぶ前に、そもそも開かれていないのか、開かれたけれど途中で読むのをやめられたのかを切り分けます。ここを混同すると、読まれていない資料のデザインを磨く、という空回りが起きます。
開かれていない場合に見るところ
- メールやチャットで送ったあと、資料に言及した返信が来ているか
- ダウンロード後に問い合わせや質問が発生しているか
- 商談の場で「あのページ」と指してもらえたことがあるか
どれも起きていないなら、直すべきは中身ではなく渡し方とタイトルかもしれません。ファイル名が「会社紹介資料_v3_最終.pdf」のままになっていないか、といった水準の話です。
開かれたが途中でやめられている場合に見るところ
- 毎回同じページで質問が発生する(そのページの説明が足りていない)
- 商談で口頭の補足をしないと話が進まない箇所がある(資料単体で成立していない)
- 読んだ人が社内で説明し直すと内容が変わってしまう(要点が絞れていない)
こちらが当てはまるなら、原因は前章の①〜③のどれかです。質問が集中するページは、資料の弱点がそのまま出ている場所なので、最初に直す対象になります。
直し方の4つの選択肢を比較する
| 選択肢 | 得意なこと | 不得意なこと | 費用の考え方 |
|---|---|---|---|
| 構成を作り直す(自社) | 順番と1枚1メッセージの是正。原因①②に直接効く | 社内の前提知識が抜けないので、難しさの正体に気づきにくい | 社内工数のみ |
| デザイン制作会社に発注 | 情報の視覚的な整理。体裁が揃い、社内の信頼度も上がる | 中身の順番が同じままだと、読まれない理由は残る | ページ単価で積み上がる |
| 動画にする | 操作画面や手順を見せられる。展示会で放映できる | 商談中に必要な箇所だけ見返す、という使い方ができない | 尺と素材の量で変動 |
| マンガにする | 前提知識のない相手に、課題から自分ごととして伝わる。配ったあとも読まれる | 機能比較・仕様の網羅には向かない | ページ単価。4ページ38万円〜 |
まず構成を疑う。デザインはそのあと
順番が悪い資料をきれいにデザインしても、読まれない理由は残ります。費用をかける前に、①順番 ②1枚1メッセージ ③同席しなくても通じるか、の3点を自社で見直すほうが費用対効果は高くなります。
そのうえでデザイン会社に出すと、伝えるべきことが決まった状態で発注できるので、出戻りも減ります。
それでも解決しないのは「前提知識がいる」場合
構成を直しても伝わらないケースがあります。サービスの説明に、業界の前提知識が必要な場合です。電子契約、クラウドERP、SaaS間の連携といった商材では、「何が便利か」の前に「今どういう状態なのか」から説明する必要があります。
この説明を文字で書くと長くなり、図にすると抽象的になります。ここがマンガの出番です。登場人物が現状の不便に困っている場面を見せれば、説明ではなく状況として理解してもらえます。
マンガが効く資料・効かない資料
効く
- 展示会やセミナーで、事前知識がバラバラな相手に配る資料:同じ説明を何度も繰り返している場合
- ホワイトペーパー・お役立ち資料:ダウンロードされたあと読まれずに終わっている場合
- 担当者から決裁者へ渡ってほしい資料:口頭の補足がなくても筋が通る形にできる
- 捨てられたくない紙もの:チラシや冊子など、その場で判断される配布物
効かない
- 機能比較表・見積書・仕様書:正確さが最優先の資料は、表とテキストのほうが適しています
- 商談の最終盤で使う資料:条件を詰める段階では、マンガは回りくどくなります
- サービスが一文で説明できる:説明に前提知識がいらないなら、マンガにする理由が薄い
- 来週の商談に間に合わせたい:ご契約から納品まで最短1ヶ月かかります
実際に起きた変化
当社が制作を担当した案件で、発注企業からいただいた数字だけを載せます。
展示会の説明時間が一人30分から10〜15分に(サイトビジット様)
電子契約サービスNINJA SIGNのサイトビジット様は、展示会の来場者に電子契約そのものを理解してもらうため、一人あたり30分近く説明していました。マンガの営業冊子を配布したところ説明時間は一人あたり10〜15分に短縮し、寄せられる質問の中身も具体的になりました。詳しくはサイトビジット様の制作事例にあります。
ホワイトペーパーと展示会配布を1本で兼用(マネーフォワード様・パトスロゴス様)
マネーフォワード様では、Web上のホワイトペーパーと展示会での配布を兼ねるマンガを制作しました(制作事例)。パトスロゴス様では、SaaS間の連携という説明しにくいテーマをストーリーで扱っています(制作事例)。1本の資料を、Webの獲得と対面の配布の両方で使い回せるのは、紙とデータの両方で成立するマンガの利点です。
マンガLPは通常LPに比べて離脱率が半分以下(スマートキャンプ様)
商談資料そのものではありませんが、同じ「読まれない」問題への打ち手として。BOXILを運営するスマートキャンプ様では、マンガLPの離脱率が通常のLPに比べて半分以下になりました(制作事例)。
なお、いずれも「マンガにしたから改善した」と単純化はできません。配布の場や相手も同時に変わっています。数字は「こういう変化が起きた例がある」という範囲で読んでください。
作り直す前に決めておく4つのこと
どの手段を選ぶにしても、発注前にこの4つが決まっていると、制作がぶれません。
| 決めること | 考え方 |
|---|---|
| 誰に読ませるか | 役職・業種ではなく「どんな状況で困っている人か」まで落とす。1人に絞るほど刺さります |
| 何をひとつだけ伝えるか | 読み終えたあとに覚えていてほしい一文。複数あるなら資料を分けます |
| どこで使うか | 展示会で手渡す/Webでダウンロードさせる/商談で画面共有する。使う場所でページ数も形式も変わります |
| 読んだ人に次に何をしてほしいか | 問い合わせ/資料請求/社内で共有。ゴールが決まっていないと、最後の1枚が書けません |
費用の目安
まんがたりの広告マンガは3プランです。すべて税抜、別途取材費6万円。ご契約から最短1ヶ月で納品します。1ページからのご依頼も可能です。
| プラン | ページ数 | 料金(税抜) |
|---|---|---|
| お試しプラン | 4ページ | 38万円 |
| 通常プラン | 8ページ | 62万円 |
| ガッツリプラン | 16ページ | 102万円 |
取材費にはヒアリングとシナリオ制作が含まれます。修正2回込み、カラーは1.5倍です。他の依頼先との価格帯の違いは広告漫画(PR漫画)制作の料金相場にまとめています。
まとめ
- 「わかりにくい」の原因は、デザインより先に順番・1枚1メッセージ・同席しなくても通じるかを疑う
- 構成を直しても伝わらないのは、説明に前提知識が必要な商材であることが多い
- その場合の選択肢が動画とマンガ。手順を見せたいなら動画、状況から理解してほしいならマンガ
- 機能比較や条件の詰めにマンガは向きません。そこは表と文章の仕事です
営業資料をマンガにした場合の使い方と実例は営業資料をマンガにすると商談はどう変わるかに、手法全体の位置づけは漫画マーケティングとは?にまとめています。
関連記事:そもそもサービスの説明が伝わらない段階ならサービスの説明が伝わらない原因と、複雑なサービスを伝える4つの方法、Web上での離脱が課題ならBtoB LPの離脱率が下がらない3つの理由と、改善の打ち手4つもあわせてご覧ください。
説明が難しいものを、どう伝えるか一緒に整理します
まんがたりは、BtoB・スタートアップ向けの広告マンガ制作会社です。発注を決めていない段階のご相談で構いません。マンガが向いていないと判断した場合は、その理由もあわせてお伝えします。
「うちの場合はどうだろう?」と思われた方へ
まんがたりはBtoB・スタートアップ向けの広告マンガ制作会社です(4ページ38万円〜・最短1ヶ月納品)。発注を決めていない段階のご相談で構いません。向いていないと判断した場合は、その理由をお伝えして終わります。
料金と制作の流れの詳細は料金・サービス紹介、制作事例はB2B企業の制作事例をご覧ください。