「説明すれば分かってもらえる」のに、説明にたどりつく前に離脱される。複雑なサービスを扱っている会社ほど、この壁にぶつかります。
結論から書きます。サービスの説明が伝わらない原因は、多くの場合この3つに集約されます。①説明する側がすでに理解しているため、相手が何を知らないのかが見えなくなっている ②正確に書こうとするほど情報量が増え、読む負荷が上がる ③そもそも相手が「自分にその課題がある」と思っていない。
そして打ち手は大きく4つです。文章と図解の作り直し/説明動画/LP・資料の構成改修/マンガ化。この記事では4つを公平に比較したうえで、マンガが効くケースと効かないケースを、当社が実際に制作した案件の実測値とあわせて書きます。マンガが向いていない場合は、その理由も書きます。
なぜ「説明すれば分かる」のに伝わらないのか
原因① 説明する側は、相手が「何を知らないか」が見えなくなる
自社のサービスを毎日扱っている人は、業界の言葉・前提・業務の流れをすべて頭に入れた状態で説明文を書きます。すると、相手がどこでつまずくのかが見えなくなります。「SaaS」「基幹システム」「与信」「二次利用」——書いている側には当たり前でも、受け取る側にとっては読み飛ばす理由になります。
厄介なのは、この状態が社内レビューでは発見されにくいことです。レビューするのも同じ前提を持った人なので、「分かりやすい」という評価が返ってきてしまう。読んだ社外の人が黙って離脱するだけなので、フィードバックも届きません。
原因② 正確に書こうとするほど長くなり、読む負荷が上がる
複雑なサービスほど、例外・条件・オプションが多くなります。それを漏れなく書こうとすると、文章はどんどん長くなります。しかし読み手は、正確さより先に「自分に関係あるか」を判断したいので、長さそのものが離脱の理由になります。
「正確に書く」と「伝わる」は、しばしば逆方向に働きます。すべてを書いた資料は、契約直前の確認には役立ちますが、興味を持ってもらう段階では機能しません。段階ごとに必要な情報量が違うのに、1つの資料で全部やろうとしていないかを疑ってみる価値があります。
原因③ 相手が「自分にその課題がある」と思っていない
これがいちばん根が深い原因です。比較検討の段階にいる人は、こちらの説明を読む動機があります。しかしまだ課題を自覚していない潜在層は、そもそも読む理由がありません。どれだけ説明を磨いても、読まれなければ伝わりません。
新規事業や、前例の少ないサービスを扱っている場合はとくにそうです。検索してもらうためのキーワードすら世の中に存在しないことがあります。この段階では「説明の分かりやすさ」ではなく、「読む理由をどう作るか」が課題になります。
伝え方を変えるときの4つの選択肢
原因が分かっても、打ち手を間違えると費用だけかかります。よく使われる4つの選択肢を、得意なこと・不得意なこと・費用の考え方で並べます。どれかが絶対的に優れているわけではなく、詰まっている段階によって答えが変わります。
| 選択肢 | 得意なこと | 不得意なこと | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| 文章と図解の作り直し | 情報の整理。すでに読む気がある人の理解を早める。社内で回せるので費用が最小 | 読む動機そのものは作れない。前提知識の差は埋まりにくい | 比較検討〜商談 |
| 説明動画をつくる | 動きと音声で手順や画面遷移を見せる。展示会やWebで放映できる | 再生されるまでが勝負。見るのに時間がかかるので途中離脱しやすい | 認知〜比較検討 |
| LP・資料の構成改修 | 読む順番を設計し直せる。計測して改善を回せる | 素材(何を伝えるか)が変わらなければ、並べ替えの効果には限界がある | 比較検討〜申込 |
| マンガにする | 「自分ごと」として読ませる。前提知識のない人に課題から気づいてもらえる | 厳密なスペック比較や網羅的な仕様説明には向かない | 認知〜興味・関心 |
① 文章と図解を作り直す
まず試す価値があるのはここです。1ページに詰め込んだ情報を「誰に・何をひとつだけ」で切り分け直すだけで、読みやすさは変わります。費用も社内工数だけで済みます。
ただし前述のとおり、この方法では「読む動機がない人」には届きません。すでに興味を持って読みに来ている人の理解を早めるための打ち手だと考えるのが実態に近いです。
② 説明動画をつくる
操作画面のあるサービスや、手順を見せたいサービスでは有力です。展示会のブースで流す、Webサイトの冒頭に置く、といった使い方ができます。
一方で、動画は見る側に時間の投資を求めます。「何分かかるのか」が分からない動画は再生されにくく、再生されても途中で止まります。読み飛ばして全体像をつかむ、という読み方ができないのも弱点です。
③ LP・資料の構成を作り直す
ファーストビューで誰向けかを言う、結論を先に置く、フォームの入力項目を減らす——構成の改修は効果が測りやすく、改善サイクルを回せるのが利点です。
ただ、構成の改修は「持っている素材の並べ替え」です。素材そのものが伝わらないものであれば、並べ替えの効果には限界があります。
④ マンガにする
マンガの本質は「絵で分かりやすくする」ことではなく、登場人物に代わりに困ってもらうことにあります。読み手と同じ立場のキャラクターが同じ問題に直面し、それが解決される過程を読むので、説明を読む前に「これは自分の話だ」と分かります。
だから、原因③(相手が課題を自覚していない)に対して効きやすい。逆に、すでに比較検討に入っていて仕様の細部を知りたい人にとっては、マンガは回りくどい形式になります。
どの手段を選んでも共通する、3つの原則
文章でも動画でもマンガでも、複雑なサービスの説明でつまずくポイントは同じです。制作物を変える前に、この3つを決めておくと手戻りが減ります。
原則① 「誰に向けた話か」を最初に言う
読み手が最初に判断するのは、内容の良し悪しではなく「これは自分に関係があるか」です。業種・役割・困っている状況のどれかを冒頭で名指しすると、対象の人は読み進め、対象外の人は早く離脱します。後者も含めて正しい結果です。
原則② 伝えることをひとつに絞る
機能が10個あっても、1つの制作物で伝えられるのは実質ひとつです。「これを読み終わったときに何を覚えていてほしいか」を一文で書けないうちは、どの手段を選んでも散らかります。残り9個は、興味を持ったあとの資料に回すほうが機能します。
原則③ 自社の言葉ではなく、相手の言葉で書く
自社がサービスを呼ぶ名前と、顧客が課題を呼ぶ名前は一致しないことのほうが多いです。顧客は「クラウド型の統合基盤」を探しているのではなく、「同じ数字を3つの部署で別々に入力している」ことに困っています。相手が実際に使っている言い方で書くだけで、伝わり方は変わります。
マンガが効くケースと、効かないケース
制作会社としての実感を、条件で書きます。下の「効かないケース」に当てはまる場合、マンガにしても費用に見合いません。
効くケース
- 説明に前提知識がいる:電子契約、クラウドERP、SaaS連携など、まず用語から説明が必要なもの
- まだ課題が自覚されていない:前例のない新規事業や、「そもそも自社にその課題があると思っていない」相手に届けたいとき
- 説明する相手が毎回変わる:展示会や店頭のように、事前知識がバラバラな人に同じ説明を繰り返している
- 読み手から決裁者へ、情報がそのまま渡ってほしい:担当者が社内で説明し直す過程で内容が痩せてしまう
効かないケース
- サービスがもともとシンプル:1行で言えるものは、1行で言ったほうが速い
- 機能やスペックを正確に比較したい相手が対象:表と仕様書のほうが適しています
- 条件や価格そのものが選ばれない理由になっている:伝え方を変えても、条件の問題は解決しません
- すぐに結果がほしい:制作にはご契約から最短1ヶ月かかります。来週の商談には間に合いません
実際に起きた変化
当社が制作を担当した案件で、発注企業からいただいた数字だけを載せます。
マンガLPは通常のLPに比べて離脱率が半分以下に(スマートキャンプ様)
BOXILを運営するスマートキャンプ様では、マンガを使ったバナーとLPを制作しました。マンガLPは通常のLPに比べ離脱率が半分以下になり、それまで難しかった潜在層へのアプローチが初めて機能して、制作費と広告予算込みでペイしています。詳細はBOXIL(スマートキャンプ)様の制作事例に書いています。
展示会の説明時間が一人あたり30分から10〜15分に(サイトビジット様)
電子契約サービスNINJA SIGNを提供するサイトビジット様では、展示会の来場者に電子契約そのものを理解してもらうため、一人あたり30分近く説明していました。マンガの営業冊子を配布したところ、説明時間は一人あたり10〜15分に短縮し、質問の中身も具体的になりました。詳細はサイトビジット様の制作事例にあります。
採用チラシでCPA55%削減・応募率約40倍(新聞販売店 AC小郡三国様)
アルバイト募集のチラシをマンガにした事例では、従来のポスティングと比べてCPAが55%削減、応募率・合格率は約40倍になりました。求人媒体では1.5年で合格者1人だったのが、マンガチラシの掲載2ヶ月後に1人を採用しています。詳細はAC小郡三国様の制作事例に書いています。
なお、いずれも「マンガにしたから伸びた」と単純化はできません。配布場所・広告の出し方・その時期の市況も同時に効いています。数字は「こういう変化が起きた例がある」という範囲で読んでください。
費用の目安
まんがたりの広告マンガは3プランです。すべて税抜、別途取材費6万円。ご契約から最短1ヶ月で納品します。1ページからのご依頼も可能です。
| プラン | ページ数 | 料金(税抜) |
|---|---|---|
| お試しプラン | 4ページ | 38万円 |
| 通常プラン | 8ページ | 62万円 |
| ガッツリプラン | 16ページ | 102万円 |
取材費にはヒアリングとシナリオ制作が含まれます。修正2回込み、カラーは1.5倍です。他の依頼先(フリーランス・クラウドソーシング・出版社など)との価格帯の違いは広告漫画(PR漫画)制作の料金相場にまとめています。
まとめ|まず「どの段階で詰まっているか」を決める
サービスの説明が伝わらないとき、いきなり制作物を変えるのではなく、どの段階で詰まっているのかを先に決めるほうが遠回りになりません。
- 興味はあるのに理解されない → まず文章と図解の整理、次にLP・資料の構成改修
- 操作や手順を見せたい → 説明動画
- そもそも読まれない・課題を自覚していない相手に届けたい → マンガ
- 条件や価格が理由で選ばれていない → 伝え方の問題ではないので、伝え方を変えても解決しない
用途別の詳しい話は、営業資料をマンガにすると商談はどう変わるか、採用にマンガを使うと応募はどう変わるか、全体像は漫画マーケティングとは?をご覧ください。
関連記事:資料そのものが読まれていない場合は商談資料が「わかりにくい」と言われる3つの原因と、直し方の選択肢、Webでの離脱が課題ならBtoB LPの離脱率が下がらない3つの理由と、改善の打ち手4つもあわせてご覧ください。
説明が難しいものを、どう伝えるか一緒に整理します
まんがたりは、BtoB・スタートアップ向けの広告マンガ制作会社です。発注を決めていない段階のご相談で構いません。マンガが向いていないと判断した場合は、その理由もあわせてお伝えします。
「うちの場合はどうだろう?」と思われた方へ
まんがたりはBtoB・スタートアップ向けの広告マンガ制作会社です(4ページ38万円〜・最短1ヶ月納品)。発注を決めていない段階のご相談で構いません。向いていないと判断した場合は、その理由をお伝えして終わります。
料金と制作の流れの詳細は料金・サービス紹介、制作事例はB2B企業の制作事例をご覧ください。